経営再建中の消費者金融大手アイフルが、テレビCMを中止することが22日、分かった。
同業の武富士の経営破たんで過払い利息の返還を受けられない多重債務者が、代わりにアイフルから返還を受けようと請求する可能性が高まっていることなどが背景。
同社は、2002年に放映を始めたチワワ犬の「くぅーちゃん」と俳優の清水章吾さん、アイドルの安田美沙子さんが競演したCMが一世を風靡し、知名度も一気にアップした。
ただ、このCMは、強引な取り立てで全店営業停止の行政処分を受けた2006年に自粛で停止。
翌年にCMは再開したが、くーちゃんシリーズは打ち切りとなった。
国内の消費者金融業界は、違法に受け取りすぎた利息の利用者への返還を命じた2006年の最高裁判決や、貸出金利や1人当たり融資額に上限を設ける規制強化などで経営環境が急速に悪化。
こうした中、武富士が会社更生法適用を申請し、アイフル、アコム、プロミスなどへの連鎖的な過払い請求急増が懸念されている。
このような背景の中、アイフルのテレビ広告打ち切りは、経費削減のほか、請求がこないよう目立つのを避けることが目的ではないかと言われている。