過払い金の成功報酬を端に発した、債務整理に関する弁護士の報酬に対する悪評が増えている。
事態を重くみた日本弁護士連合会は9日、臨時総会を開き、報酬の上限などを定めた「債務整理事件処理の規律を定める規程」案を可決した。
違反行為があった場合、懲戒処分の対象となる。
日弁連が弁護士の個別業務を規制するのは極めて異例。
債務整理事件では、弁護士が貸金業者と交渉して過払い金を取り戻したり、法定外利息分を差し引いて元金を減額させたりすることで成功報酬を得ている。
弁護士報酬は2004年4月に自由化されたが、債務整理に関する報酬を巡っては苦情が多く寄せられ、日弁連が規制策を検討していた。
規程では、債務整理に成功した場合の解決報酬金を業者1社当たり上限5万円とし、実際の金額は施行規則で原則2万円以下にするという。
また、業者に元金を減額させた場合は減額分の10%以下、裁判で過払い金を取り戻した場合は過払い額の25%以下とした。
弁護士が自分で依頼者と面談して債務整理の処理方針を確認することも原則として義務付け、債務者に誤解を与えるような広告も禁じた。
規程は4月から施行されるが、過払い金請求事件が今後減少するとみられることなどから、5年間の時限規程となっている。