大阪府の貸金特区構想を却下。金融庁が「受け付け困難」と回答。構造改革特別区域推進本部:2010年10月15日
政府は14日、大阪府が検討を要請していた、改正貸金業法の完全施行で導入された上限金利の引き下げなどの規制強化を府内に限って緩和する「貸金特区」構想について「対応不可」として却下した。
大阪府は7月に構想を政府に提出、これまで金融庁が意見聴取を行ってきたが、今回が最終的な政府の回答となる。
政府は「金銭貸借は府県をまたいで行われるため、特定の地域を対象にした特例実施は困難」と指摘。
府は上限金利の規制緩和なども求めていたが「一部の地域のみ、出資法の上限金利を上回る貸し付けを刑罰の対象から除外することは法の公平性に反する」などとした。
大阪府の「貸金特区」構想は、6月の改正貸金業法の完全施行で、個人の借入総額を年収の3分の1までとする「総量規制」や、上限金利を年15%に引き下げる規制強化が導入され、資金繰りが困難となった中小零細事業者や個人を救済する狙いがあり、府内に限り法改正前の制度を一部、復活させる内容だった。
これに対し、橋下徹知事は「国家戦略という国の形が見えない」と国の姿勢を批判。
「最後は僕の政治力のなさ。問題提起はし続けたい」と語った。
雑感
金融は県や国をまたいで流通するので、特区という構想は馴染まなかったのかも知れません。
年20%超の高金利で借りなくてはならない時点で、資金繰りが行き詰まっている可能性が高く、お金が借りれても高い利息の支払いにさらに苦しむ、という悪循環のような気もしますので、政府の判断は妥当なように思います。